「前払費用」とは、法人が一定の契約に従って継続して役務(サービス)の提供を受けるために前もって支払った費用のうち、その事業年度終了の日においてまだ提供を受けていない役務(サービス)に対して使用する勘定科目を言います。
「前払費用」は、本来は期間損益計算の立場からすれば、原則としてその事業年度の損金にはならず、費用化されるべきです。
ただし、重要性の低いものについては、本来の会計処理ではなく、他の簡易な方法で処理することも正規の簿記の原則にしたがっていれば認められています。これを“重要性の原則”と言います。
上記の“重要性の原則”に基づく経理処理という観点から、地代、家賃、賃借料、リース料、保険料などといった「前払費用」として支払った金額のうち、支払った日から1年以内にサービスの提供を受けるもの(=短期前払い費用)のうち、以下の要件を満たしていれば、支払った期に損金に算入することが認められています。
①「前払費用」としての以下4つの要件を満たしていること
1.一定の契約に従って継続的に提供を受けるものであること。(等質・等量のサービスがその契約期間中、継続的に提供されること )
2.役務(サービス)の提供の対価であること
3.翌期以降において時の経過に応じて費用化されるものであること
4.当期中に対価として支払いが済んでいること
②毎期継続して同様の経理処理をおこなうこと
継続して適用する必要があり、「利益が出た期だけ1年分を前払いする」というような処理方法は認められていません。
③収益と直接対応させる必要のある費用や重要性の原則を逸脱するような費用ではないこと。
短期前払い費用は、あくまで特例措置です。
“重要性の原則”に基づいている費用でなければ適用されません。したがって、人件費など重要な営業費用となるものや、原価的要素となるものは、短期前払費用の特例に適用されません。
上記を注意して、前払費用の特例を活用すれば、毎月の支払いの手間も減りますし、今期の費用にできるので節税対策としても有用です。
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